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いじめ、不登校で悩んでいる方

いじめや不登校は、誰にでも起こり得ること。
特別なことではありません。

大切なことは、「いじめ」も「不登校」もただの状態に過ぎないということ。
その状態を引き起こした心の仕組みをしっかりと見つめることが解決の糸口になります。

そして、その糸口は、苦しい現状から逃れるためだけでなく、
その子と親にとって、これから先の人生を大きく変えるきっかけにもなる重大なことです。

ですから、その場しのぎに終わらせないで、この人生の転換期(チャンス)をしっかり見つめてください。
一人で見つめることが難しい方は、私たちカウンセラーやスタッフがお手伝いをします。

具体的な支援の場を知りたい方は、
 ・カウンセリング
をご覧ください。
お急ぎの方は、 sekairan@world-egg.jp または、 お問い合わせ までご連絡ください。

以下に、いじめの仕組みを見つめるためのヒントをご紹介しておきます。


~いじめの仕組み~

いじめるということ。
それは、無自覚な悪意が働いている状態です。
本当は無自覚ではなく、やっている本人も知っていることなのですが。
でも、それに気づかないフリをして、自分の中にたまっている「心のマグマ」をどこか(誰か)に向かって投げつけて(攻撃して)いるのです。
「いじめたい」という欲求があるわけではなく、「攻撃したい」のです。

対象が特定の誰かになってしまうのは、その誰かの中に何か自分が触れたくないものを見るからです。
触れたくないものは、大きく分けて2つ考えられます。
1つは、自らの痛みに通じるもの。
もう1つは、自らの中にある否定したい・または見たくないもの。
自らの痛みに通じるものとは、
例えば、自分が心の底から得たいのに、得られないものがあって、
それをその誰かが持っている場合。
親の愛情や、友人からの信頼、先生からの評価、天真爛漫な笑顔、愛される性格……。
何がその心の奥底の欲求なのかは、周囲からはわからないでしょう。

自らの中にある否定したいもの・見たくないものとは、
例えば、自分が嫌っている親の心の癖や、傲慢さ、醜さ、抑えきれない欲求……。
世の中一般で非難されるであろうものを自分が持っていると自覚していて、
それを隠すことに必死になっているのに、
目の前にいる誰かがそれを鏡のように映し出してしまう場合。
あるいは、その誰かの中に同種のものがあり、それを見せ付けられることで自分が責められているように感じる場合。

こんなときに、人は心のマグマの矛先を特定の誰かに向けてしまうことがあり、これがいじめという現象になります。
こうした心の動きは誰にでもあることですが……そうして誰かを傷つけることは、してはならないことなのです。
してはならない理由は、世の中が「いじめは悪いこと」と言うからではありません。
誰かを傷つけることによって、自分自身が傷つくからです。
そして、もうひとつ。心の負の連鎖を生むことになるからです。
やられた人間は、心のマグマにやられた記憶を刻み込み、
いつか誰かに同じようにその矛先を向けてしまうことがあるのです(いじめの連鎖)。
そうして、心のマグマを解消しようと、人は試みるのです。

誰のところで、負の連鎖を断ち切るのか?
連鎖を断ち切るのが、今、いじめているあなた。
または、いじめられているあなたであってほしいと思います。

いじめの問題に取り組むとき、いじめられている側の心のケアは緊急性が高く、重要です。
しかし、いじめている側の心のケアも同じように重要なのです。

いじめられている人も、いじめている人も
心の悲鳴をあげています。
その悲鳴が聞こえているうちに、手を差し伸べる必要があります。
誰かに受け止めてもらえない悲鳴は、
やがて諦めに変わり、その声は発せられなくなってしまうからです。

今、いじめられている当事者の方がこれを読んだら、納得いかない気持ちになることもあるかもしれません。
しかし、いじめは、人間という生き物が社会という仕組みをもつ以上は、なくならない現象なのです。
社会という仕組みの中で、あげている悲鳴だからです。

同じことが繰り返されないように、
これ以上、負の連鎖を生まないように、
悲鳴を受け止めている人間がここにいることを伝えながら、
カウンセラーもスタッフも全力で取り組みます。


~不登校の仕組み~

不登校と引きこもりの違いを知ってください。

文部科学省は、不登校の児童生徒を
『何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの』
と定義しています。
厚生労働省は、引きこもりを
『自宅に引きこもって学校や会社に行かず、家族以外との親密な対人関係がない状態が6ヶ月以上続いており統合失調症(精神分裂病)やうつ病などの精神障害が第一の原因とは考えにくいもの』
と定義しています。

不登校・引きこもりは並列で語られることが多いですが、定義を見てわかるように、まったく違う状態を指しています。

不登校は、読んで字の如く、「登校しない状態」です。
引きこもりは、「親密な人間関係が継続していない状態」です。
不登校が「学校という社会」に対する拒絶だとすれば、引きこもりは「人間」に対する拒絶です。

確かに不登校の生徒は将来引きこもりになる可能性が高いといわれており、若者サポートステーションなどは不登校の生徒へのアプローチが将来的に引きこもり予防となるとして積極的に取り組んでいます。

しかし、不登校と引きこもりは違います。
不登校は、社会への拒絶はあっても、人を求めている傾向があります。
引きこもりは人を拒絶していますから、そこの違いが大きいのです!
支援において大切なことは、「不登校を引きこもりにさせないこと」です。

休憩したいときだってあるし、つらいときだって、あります。
不登校になりたいだけの、理由が本人にはあるはずです。
その苦しみは、本人にしかわかりません。
親でさえもわからない、私たち支援者はもっとわからないのです。
しかし、自分たちにわからないからと言って、「正統な理由はない」「怠けている」と決めつけてしまうのは、おかしいと思いませんか?

理解できないのは、私たち自身です。
そのことをまずは受け止めましょう。
理解できない自らの苦しみを、子どもにかぶせて追い込むのはやめましょう。
理解できなくても、寄り添うことはできます。

不登校を引きこもりにさせない支援は、
ここに、その苦しみをわかろうとしている人間がいることを知らしめることから始まります。


そして、子どもの苦しみを理解できない・共有できないという苦しみを抱える保護者に寄り添うことも大切な支援です。


第3の居場所作り~上五島子どもサポートセンター(今里フリースペース)~
NPO法人せかい卵では、フリースペースを開催しています。
放課後の子どもたちにとって、家庭と学校以外の第3の居場所作りが目的です。
学校に登校できている子でも、本人が学校に居場所があると感じているとは限りません。
家庭で大切にされているからと言って、本人が安らいでいるとは限りません。
学校と家庭以外の第3の居場所は、日常の人間関係から離れ、子どもが自分自身の役割からも離れられる場と時間を作ります。
カウンセラーやスタッフと話しながら、心の中を見つめる時間にしてもいいでしょう。
そして何より、保護者の方々の悩みにも耳を傾ける場にしていきたいと思います。


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